《MUMEI》

2,3の皿に不細工ながらも盛り付け、部屋まで持って行く。

「おーい、持ってきたぞ」

ベッドのすぐ側の机に並べる。何とか全部乗っているが、皿が大きすぎた。

フォークを渡し、ついでコップも渡そうと探したが、飲み物を忘れたのに気付く。

『水取ってくる』

見せようと顔を上げ、驚いた。

彼女はすでに頬いっぱいに飯を詰めていた。まだフォークに刺さっているモノを口に入れようとしている。

彼女は頷いていた。

また厨房にお邪魔する。さっきは居なかった何かシェフっぽい人がいた。

その人は彼を見かけると手招きをした。

「何かしたかな…」

不安がよぎる。やはり材料を勝手に使ったのはマズかったか。

恐る恐る近付く。どうやらフライパンに一品忘れていたようだ。

「すいませんでした」

彼は頭を下げた。

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