《MUMEI》 裏切り者「おら、さっさと早く歩け じゃねぇと、その頭をぶち抜くぞ」 琉雅と睦月は罠にかかり、男達に監視されながら、カーテンの奥へと進んだ 《…暗いな、こんな所で俺達に何をするんだ?》 カーテンの奥に進んだものの、そこは暗闇で窓から月の光が差し込んでいるため、かろうじて辺りが見えるぐらいである 「ボス、連れて来ましたよ」 俺達を監視している内の1人が暗闇の方へ呼びかけた 《ボス?》 その瞬間、 「うっ!?」 電気が点いた いきなり過ぎたため、俺の目が明るさに慣れるまで時間がかかった そして、目が慣れるとそこには…約20人の生徒が俺達を囲んでいた 「ね、ねぇ琉雅…」 「睦月、どうした?」 「あの人って…」 「…!! なんで、教頭先生が!?」 「ふふふ…君達、ご苦労さん もう下がっていいよ」 「はい」 「教頭先生!なんで、俺達にこんな事をするんだ!?」 「ふっ、なんでかな? ……私と取引をしないか?」 「取引?何をだ?」 「君はこの生徒達の武器を好きなだけ持って行きなさい、その代わり瀬川君をこちらへよこせ」 「え!?琉雅…!」 「そんな取引…断る!!」 「ふっ、ふふふふ 断るのか…しょうがないね… 君達、瀬川君を私の方へ、和泉君が邪魔をするのならば、殺しても構わない!!」 「おおおおっ!!」 約20人の生徒が俺達に襲いかかって来る 《くそ!どうする!? 背中の傷もあって、満足に体を動かす事が出来ねぇ! とにかく、睦月だけでも…!》 「琉雅! 今、私だけでも逃がそうと思ってたでしょ? 私も戦うから…!」 「おまっ…お前はどうしてそんな事を言う!?逃げろよ!」 「嫌だよ!」 「はははは!!和泉…死ねぇ!!」 教頭先生が笑い、生徒の内の1人が睦月に触れようとしていたその時、 「じゃあ、アンタが死んじゃえよ」 ブシュ……!! 「ははは……え…?」 「!?」 俺の目の前で教頭先生の右腕が真っ二つに斬られた光景が広がる もちろん、他の生徒も動きを止め、そっちを見ており、呆然としている 「ぐ…ぎゃああああ!!」 教頭先生の悲鳴でみんなが現実に引き戻される 「ボス!?」「大丈夫ですか!?」「おい、お前!ボスに何て事をしてくれたんだ!!」 「くっくっ…ソイツがボス? くっ!笑わせてくれるねぇ……」 教頭先生の右腕を斬り落としたその男は俺と同じ武器、日本刀を持っており、その日本刀には血がべったりと付いている 《でも、なぜだ? どこかでこの男に似た男を見たような気がする……》 「ぐっ…貴様ぁ! この私にこんな事をするなど、有り得んぞ!!」 「当然の仕打ちだろ〜?」 「仕打ちなど知るか!」 《あっ…この光景……》 「琉雅?」 「ゾディアック……」 俺がそう呟くと、日本刀を持った男が俺の方を見た 「へえ…アンタ、知ってるんだな」 「ゾディアック!? と、とりあえず!ここは、見逃してくれないか?」 「くっ!ざぁーんねんでした」 ブシュ…!! その男は教頭先生の頭をばっさりと斬り落とした それを見ていた生徒らは、 「ひ…!」「に、逃げろー!!」 「ふう、邪魔者もいなくなったし…お前の話も聞かせてもらおうか? なぜ、゙ゾディアック゛という単語を知っているのかをな……」 《コイツ……ただ者じゃねぇ! ぐっ!敵なのか?味方なのか?》 前へ |次へ |
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