《MUMEI》 《完結》あの事件から一週間。 私は不登校になった。 たぶん学校では薫のことで大騒ぎになっているだろう。 でもあいつが死んだくらいで悲しむやつはいないだろう。 むしろ死んで嬉しいと思っているやつの方がいっぱいいるだろう。 私みたいにねっ なんだか殺すの楽しかったなぁ… あはは あのときの薫の顔ったら…おかしっ! あの顔また見てみたいわっ この一週間私は薫のことばかり考えていた。 心にきりがかかったようだ。 もう何もする気にならない。 なにかをしていても必ずどこかに薫のことがある。 私が殺したはずなのに… 私の心にはまだ薫がいる。 早く殺さなくちゃ… 私の中の薫を。 包丁…どこ? あったわ… 早く早く… …グサッ 「…うっ!」 あれ刺したのに消えない薫が…早く殺さなくちゃ 何度も何度も自分の胸に包丁を突き刺す。 なのに消えない。消えていくのは薫への憎しみばかり… 涙と一緒に憎しみが消えていく。 頭が痛い。くらくらする。 目の前が真っ暗、あぁ早く消さなくちゃ… 私も…薫も… バタッ… 前へ |
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