《MUMEI》 すると次の瞬間―― ズドドドドドドド――…… 物凄い勢いでボタンを連打し始めた彼女。 その連打は凄まじく、ボタンどころか自販機その物が壊れてしまいそうだ。 これは非常にマズイことになった。 どう考えても女の力ではない……というか男の怪力でもここまでなるかどうか……。 オレは彼女の肩を恐る恐る掴《つか》む。 動きが止まり、「どうだった!?」と問いかけてくる彼女の表情に、オレは無言で首を横に振ってみせた。 「ダメだったのね……」 力なく肩をおとし、とても残念そうに彼女は呟《つぶや》いた。 「結果は残念だったけど……いい連打だったよ」 彼女を慰《なぐさ》めながら自販機から出てきた熱いお茶を取り出し、悔しそうにしている彼女に手渡す。 「うん。機会があればまたやってみる」 前へ |次へ |
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