《MUMEI》
愛しい人の死
あの事故から数日後、あの死体を見てから肉なんておろそか、トマトや苺などの赤い果物や野菜だって口に入らなくなり。ずっと虚ろにベッドに座っている気がする(鬱病か…)すると
叔母さんが入ってきた
「京一!」
「…おばさん…」
おじさんは駆けつけて、おれを抱きしめた。
「大丈夫か…」
「はい…」
急いで病室に来た
「お前、PTSDだってな…」「今、ゆりちゃんが来てるの…」おばさんが目を向けた向こうには、母親がいた、しかもかなり変わり果てて、やつれている。
「京一、今のあなたは京一なんかじゃないわ
入院してへたってるきょうちゃんなんかきょうちゃんじゃありません!」母親の言ってることがわからなかった「なにを…」叔母さんは必死でかばうも「こんな廃人の人間なんて息子じゃないわ!一昨日まで一緒に過ごしたきょうちゃんを返して、この人形!」病室にある、テレビのリモコンを投げつける「った…」「何してるの京一に!!」「ああ…」どさりと母親は倒れた「きっと
精一の事もあるからな、疲れきっているんだ…」「そうね…」「父さんがどうしたって…」「実は不幸な知らせだ、精一の病院が医療事故を起こした」
医療事故、何度か聞いた事がある。手術中にショック死したとかの。でも、何が何でも医者でも絶対に人の命を助けるとはいえ間違いだってあるどんな名医にでも。「どんな…」
おじさんがゆっくり低い声で話す「実は、京一が入院した当日
政府に難病指定さえしてもらえない希少難病患者の手術の日だったんだ…だけどその患者が昨日、点滴中に過度の興奮を起こして失血死を起こした。今でも対応におわれるばかりだよ」
「そうか…」一昨日は昏睡状態に陥っていて
覚えていないでも事故だけは覚えている。
七月 二十九日、朝、恋人が跳ねられた及び、
電車にひかれた、そして無惨にもひきちぎられたものが俺の頭に当たり、発狂。救急車に搬送され、変な気持ち悪い色の薬を飲まされ、昏睡状態に「みんな…いなくなった…」

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