《MUMEI》

一体、どうなっちまうんだよ……


一喝《いっかつ》するようにバシッ! と肩を叩かれ、強く掴《つか》んでくる彼女の小さな手。

ゆっくりその顔に視線をやると、不遜《ふそん》な表情が眼に入る。

「この状況で……なんだよ、その顔」

彼女は「チチチッ」と舌を鳴らしながら人指し指を横に振ってみせ、高々と笑い出した。

ハッキリいってイラッとくる!

「気でも狂ったのか? オマエ」

すると眉間《みけん》にシワを寄せ、

「失礼ねぇ……。アンタ、ホントにわかんないの?」

「絶望的ってことだろ?」

呆《あき》れた顔で彼女がオレの頭を指差し、

「絶望的なのはアンタの頭の中だけ! ここまできて結局パニクるとはねぇ……」

「……」

「いい? よく聞きなさい。そこで、なぜ、アンタの助けが必要なのか。それはもう一人のワタシが、ケータ……アンタだからよ!」

「え……?」

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