《MUMEI》

キャルの『もう一人の自分』は……オレ?

じゃあ、オレの『もう一人の自分』は、キャル。

そうか……っ! キャルがオレに協力を求める理由がやっと分かった。

表と裏をひっくるめたこの世界を救うために、オレと『融合』することでヴェイガー≠フごく一部――『奴等』の野望を阻止する。それが答えか。


「なるほどな」

とんでもない事態に変わりはないが、難問ひしめくテストの解答用紙にある空欄……それを一つ、埋めることができた。そんな気分だ。

「いい顔になってきたじゃない。さっきまでのアンタの顔……、アレは傑作《けっさく》だったわ」

「うるせぇよ。オマエが妙に話を引っ張るからだろ」

お互いクククと笑い合う。オレ達にとって希望が出てきたのだから。

だが同時に、新たな疑問も出てきた。

「でもオマエ、既《すで》に井下《いのした》さんと『融合』してるんじゃないのか? 確か『もう一人の自分』としかできないんじゃ……」

「これは『融合』じゃないの。ワタシの『力』で井下和美《かずみ》の身体を借りてるだけ。仮に他の人が『もう一人の自分』以外と『融合』すると、その人達は消滅する」

「消滅って、つまり表と裏で……合わせて四人死ぬってことに、なるのか?」

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