《MUMEI》

「ケータ、紹介するわ。組織の一員、ロッドよ。迎えに来てくれたの」

「はじめまして、ロッドです。アナタがもう一人のカルグリーナさんですね? よろしくお願いします」

ヴェイガー=c…か。

別にキャルを疑ってたワケじゃない。が、こうやって自分の目で見てしまった以上、もはや疑いの余地は無い。

ここがヴェイグ≠ナあり、キャルや目の前にいる人物がヴェイガー≠ネのだ。

「ケータ?」

「おや? どうされました?」

背丈はオレより少し高いが、体格はとりわけデカくもなければ小さくもない、普通ってやつだな。

ただ、衣服に覆《おお》われてない手や顔を見ると、何か靄《もや》でもかかっているように見えにくい。

確かにオレ達プレイナー≠フ容姿とは違う。キャルの話で性別もあり、自身の精神が魂の形成に影響しているとは聞いた。

ってことは、このヴェイガー≠ヘオレ達に近い姿をしてるから、人間味があるという解釈で間違いないのか? よくわからな――

「いぃだだだっ!」

激痛で涙目になりながらも憎たらしい犯人を睨む。

「あぁ、生きてたんだ。立ったまま死んだのかと思ったわ」

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