《MUMEI》

ふざけたことを抜かすこのバカ女の精神は絶対に病んでいる!

「いい加減にしろ、このクソッタレ!」

「品の無い喋《しゃべ》り方ね。ワタシに恥かかせないで欲しいモンだわ」

「……っ……」

「それよりアンタ。サッサと自己紹介ぐらいしなさいよ。失礼でしょ?」

「ぐっ……」

背中の痛みが怒りを増幅させるが、話を聞けてなかった自分も悪い。

ヴェイガー≠ノ向き直り、顔が引きつるのを感じつつ、

「すみませんでした。えっと……プレイン≠ゥら来ました、近藤敬太《こんどうけいた》です。よろしくお願いします」

「気にしないで下さい。では改めまして。ロッドです。以後お見知りおきを」

にこやかに笑って……いるのか? 表情が今イチわかりづらいなぁ。

わかりづらいけど……怒ってるワケじゃなさそうだ。

「ロッドさんですか。いや〜、礼儀正しい人でよかった。どっかのバカとはァアアッ!」

腰が砕けるような感じでそのまま地面に崩れ落ちてしまう。

「ロッド。みんなはもう集まってるの?」

「はい。ジュードさんが大広間でみんなを待機させています」

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