《MUMEI》 「大丈夫です、ロッドさん。お気遣《きづか》いなく」 とはいえ……実際ここの地面は石や岩などがギッシリ敷き詰められた状態になっていて、歩くたびに足を取られる。 これが予想以上にキツイ。 「わかりました。ではもう少しペースを上げましょう」 えっ!? そうなんのかよ! カンベンしてくれ……。 キャルは後ろを歩くオレを見てプククと笑っている。性根が腐ってるわ、この女。 こーなりゃ意地でも進んでやるぜ! ――意地を張らずに休ませてくれと頼めばよかった。あ、脚が痛い。 「着いたよ、ケータ。しっかりしなさいよ」 「……あぁ……」 「頑張りましたね」 コイツら底なしの体力か? それとも生身じゃないから疲れないのか? どっちにしても、こんな奴らを相手に……オレなんかが戦えるのかよ。 辺りを見回すが、入り口になっていそうな所は見当たらない。 「は? 着いたって……何もないぞ?」 すると、ロッドさんが無数にある岩の一つを指差し、 前へ |次へ |
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