《MUMEI》 「なるほどね」 最初からそう言ってくれりゃいいのに、オレの反応見て楽しんでんのか? 人が悪いぜ。 「みんな――! 『もう一人のワタシ』を連れて来たよ――――っ!」 彼女は大広間全体に響き渡るほどの声を張り上げた。 「――っ!!」 ――数十人の姿が一斉《いっせい》に現れ、心臓が飛び出そうになる。 目に映る全《すべ》ての人達がヴェイガー≠ネのだ。 更にその姿は数を増し、それぞれが特徴的な姿をしている。まさに圧巻の一言だ。 「凄い数だな」 「フフッ、そう? これでもまだ少なくなった方だよ?」 気のせいか、キャルの横顔が悲しそうに見え……あっ、しまった! 「ごめん……」 「いいの、謝らないで。みんな自分の意志でここに入り、戦い、倒れていったんだから」 過去にどんな戦いがあったかは知らないが、とんだ失言だった。 「それも……今回で終わるから」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |