《MUMEI》

「なるほどね」

最初からそう言ってくれりゃいいのに、オレの反応見て楽しんでんのか? 人が悪いぜ。

「みんな――! 『もう一人のワタシ』を連れて来たよ――――っ!」

彼女は大広間全体に響き渡るほどの声を張り上げた。


「――っ!!」


――数十人の姿が一斉《いっせい》に現れ、心臓が飛び出そうになる。

目に映る全《すべ》ての人達がヴェイガー≠ネのだ。

更にその姿は数を増し、それぞれが特徴的な姿をしている。まさに圧巻の一言だ。

「凄い数だな」

「フフッ、そう? これでもまだ少なくなった方だよ?」

気のせいか、キャルの横顔が悲しそうに見え……あっ、しまった!

「ごめん……」

「いいの、謝らないで。みんな自分の意志でここに入り、戦い、倒れていったんだから」

過去にどんな戦いがあったかは知らないが、とんだ失言だった。

「それも……今回で終わるから」

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