《MUMEI》 「抱負って言われても……」 なにが「語れば?」だよ。他人事《ひとごと》だと思って……あ、ヤバイ……緊張してきた。 「早く言いなさいよ。じれったい」 「ちょ、ちょっと待って……」 コホンと一つ咳払いをし、僅《わず》かな間を置く。 「えー……、プレイン≠ゥら来ました、近藤《こんどう》敬太《けいた》です。『争い』のことはカルグリーナさんから聞きました」 プッと軽く吹き出したキャルが「『カルグリーナさん』だって」などと呟《つぶや》き、必死に笑いを堪《こら》えている。 「うるせぇ、黙ってろ」と小声で返し、深呼吸を二、三度繰り返す。 そして最後に空気を目一杯吸い込み、 「みなさんっ! この戦い、勝ちにいきましょう!」 ――ウオオオォォォ――――――ッ!! それまで静まり返っていた大広間は、異様な熱気と喝采《かっさい》に包まれた。 これでよかったのか? 前へ |次へ |
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