《MUMEI》 Uそれから先生は質問攻めにあった。 先輩だったから出る幕がなかった。 「センセイ、野球部に顔出すかなぁ……」 そんなことを一人考えていた。 「久川……」 誰かがあたしの名前を呼ぶ。 「龍仲君……どうしてここにいるの?確か野球の練習中だったはず」 「久川が窓から見えたんだ。誰見てるのかなって、気になった」 「っ!さ、さっきの………」 顔が真っ赤になるのが自分でも分かった。 「聞いてたよ。センセイって……新任のセンセイだろ?」 あたしは何も言えない―――まさか聞かれていたなんて」 「そ、そうだよ……相中センセイだよ――」 前へ |次へ |
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