《MUMEI》 *第5章* Part 1パラパラパラ・・・・ 本をめくる音だけがリビングに鳴り響く。 「あ、あった!! 嘆きの森・・・・・・。」 。・第5章 嘆きの森。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。 薄暗い森だ。 ときより誰かが叫ぶ声が聞こえるような気がする。 この森にはたった一軒だけ家が建っていた。 そこに住んでいたのは、優しそうなおばあさんだった。 おばあさんはこの森に迷い込んで出てこれなくなった 娘を待っているそうだ。 「私はねぇ、戻ってくるはずも無い娘を待っているうちに もう、こんなに年老いちゃってねぇ・・・・。 気が付いたらあれからもう50年も経ってしまってねぇ・・・・。 自分が本当に何をしたいのか分からなくなっちゃって・・・。 嘆きの森は、神隠しの森とも言われているんだよ。 実際にこの森に迷い込んで出てこれた人は まだ一人もいないのよ。 あなたは入っちゃダメよ。」 「あ、はい。」 嘆きの森ー。 それは、1000年に一度しか姿を現さない伝説の森。 1000年に一度だけ、神の惑星とこの地球が重なる日がある。 その日の夜、月が出ている時にしか姿を現さないーーーー。 おばあさんは僕が家を後にするときそう呟いた。 そして最後にこう告げたんだ。 そうー。確か・・・・・・ 龍がこの地に訪れたとき天使の羽が舞い始める。 “光が消えていく時が訪れる” 僕は昔から言われていたことがある。 それは、お母さんが月を眺めながら話してくれた。 「この空にはね。 きれいな羽を持った神様がいるんだよ。 お母さんは川で溺れかけたときにその人に 助けてもらったのよ。 だから、この月の光は消さないでね。」 まだ、幼い僕にはこの話の意味が分からなかった。 だけど、今だったら分かる。だって・・・・。 目の前にお母さんを救った人がいるのだから。 。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。 「これ・・・・。確かノンフィクションだよな・・・・。 1000年に一度・・・・。次はいつなんだろう・・・・??」 ガタッッ!!! 突然扉が閉まる音がした。 神流が話し終わったのかな??? 「神流??」 しかし返事が無い。 「え??神流!!????」 俺は玄関を覗いてみた。 そこには、神流が倒れいていた。 「おい!神流、どうした!!??」 さっきまで話していた人は何処にもいなかった。 「おい!!目を覚ませ、神流!!!!!」 前へ |次へ |
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