《MUMEI》 ローブに覆《おお》われ、容姿はおろか表情すらわからないが、声の感じからすると老人だろう。 「任務中の大まかな指示は、このチェルがワシに代わって行うことになる」 ……一番後ろからついてきてた人か。 「チェルだ。よろしく、ケータくん」 「こちらこそ、よろしくお願いします。チェルさん」 「こやつは精神感応者《テレパス》。如何様《いかよう》な時でも正確に指示を受け取れるじゃろう」 テレパス……? コンパスの親戚か? 方位磁針のように方角を指し示す……さしずめ道案内の『ソウル』ってとこか。 この老人にも作戦に有利な力があると見て、間違いないだろうな。 でも、オレだけに指示を出すのか? 「あの、指示を受けるのはボクだけですか?」 「色々と事情があるから、アトでワタシが説明してあげる」 キャルが窘《たしな》めるように答える。 「続けてよいかの?」 「……すみませんでした」 「カルグリーナとオヌシには最重要となる任務を遂行してもらうことになる」 老人はテーブルをコツコツと叩き、 「あの二人をここへ」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |