《MUMEI》

「はっ、かしこまりました」

……「かしこまりました」って、チェルさん……誰か呼びに行くんじゃないのか?


――しばらくすると、扉をノックする音が聞こえ、

「失礼します」

入ってきたのはロッドさんともう一人……女の子だ。

「お呼びでしょうか。イシュさん」

「『予言書』イシュに呼び出されるなんて、光栄だよねぇ〜」

「こら、キアン」

「キャハハッ! わかってるってぇ」

『予言書』? この老人はイシュって名前か。

それにしても、チェルさんはどうやってこの二人を呼んだんだ? まるでテレパシーでもつかっ……――あ。

「ファハハッ! よいよい。二人を呼んだのは主要メンバーに加わってもらうためじゃ」

「えっ!? ホント?」

そうか……テレパスってのは、テレパシーを使う人のことなんだ!

うわ〜恥ずかしぃ〜。とんだ勘違いしてたよ。誰にも訊《き》かなくてよかった〜。

「ん? あ――――っ!」

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