《MUMEI》

みんなの表情が真剣なモノへと変わる。

「前回まではカルグリーナが持っておる『秘石』を守る形じゃった。しかし、今回『奴等』は境界線に穴を開けるという愚行に出よった。我々はそれを阻止するため、攻めに出なければならん。
当然リスクが高くなるワケじゃが、そこはジュード率いるゲリラ部隊が周囲から奇襲し、穴の周辺が手薄になったところを主要メンバーで叩くというモノ」

作戦が飲み込めてくると同時に、本当に自分が参加するんだという実感が湧《わ》く。

「ジュードよ。オヌシ達ゲリラ部隊には、高いリスクが伴うことになる。……すまんの」

「いえ、みんな覚悟はできていると思います。問題ありません。必ず成功させますよ」

さすが組織のリーダー。非常に冷静で、気迫も十分に伝わってくる。

「ウム。そして主要メンバーである四人。今作戦の成否がオヌシ達次第で決まる」

フードに隠れた眼で次々と主要メンバーの三人を見やり、最後はオレで止まる。

「特にケイタ……オヌシが最も過酷を極めることになるじゃろう。しかし、ジュード達の思いに報いるためにも、頑張るんじゃぞ?」

「はい。……全力を尽くします」

そうだ、オレには『奴等』と戦う力が無い。

キャルとジュードさんがなんとかするような話をしてたけど、アトで訊《き》いてみるか。

「任せてもらおうじゃない。必ずやり遂げてみせるわ。必ず……!」

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