《MUMEI》
1 私と彼。
私は、雲母愛音。
ここ、稀幾学園(まれき学園)の高校
二年生。稀幾学園は、中高一貫の
私立学園。私立なのに、校則が厳しく
ないから、入学希望者は、国1番!!

私には、モテモテの彼がいる。
名前は、神河翔哉。
顔が整ってるし、運動神経抜群!
外すとこなんてない!!


そんな彼に選ばれて、ラブラブで、
今、超幸せッッッッ☆彡

でも…


「…ねぇ、翔哉。」

「ん?」

「ん?じゃないの!離れよう?
食べにくいんだけど。」

…そう、彼と私は今、中庭の草原で、
仲良くご飯中。

そこまでは良いけど、離れてくれない。
私は、翔哉の腕の中。翔哉の膝の間に
座らせられ、後ろから抱きしめられている。時々、耳にかかる吐息が、くすぐったい。

「……」

「聞いてる?」

「あぁ。」

…ダメだ、こりゃ。

私は、離れて欲しくて、身体をよじり
翔哉の腕の中から、逃れようとする。
すると、翔哉は私を更に強く抱きしめ、
私の耳元で、いつも以上に声を低くして
囁いた。

「離すかよ。
もしかして、俺様から逃げられるとでも
思ってるのか?」

そう言うと、彼は私の真っ赤な顔を
覗き込んだ。一瞬、目が合ってしまったが、すぐにそらした。

「なんだ?照れてんのか?」

うぅ…図星。
更に顔が暑い。
………そう。
私の彼は、こんな感じに
超俺様!!!!
まぁ、そんなとこが良いんだけど(笑)

「……顔、赤いぞ?」

「あ〜…うるさいっっ!!
離れて!食べて!」

「ははっ(笑)からかいすぎたか?
…ふっ。分かりましたよ。」

そこまで言うと、私の腕を引き寄せて
また、耳元で囁いく彼。

「俺の可愛い、お姫様?」

「ーーーーーーーーっ」

その言葉で、私は彼を押しはなす。


私は、翔哉との、こんな何気ない会話が
大好き。
 だけど、この数日後、あんなことに
なるなんて、この頃はまだ


………知らなかったんだ。

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