《MUMEI》

「ケータくん」

――肩を掴《つか》まれ振り返ると、ジュードさんがいた。

「『戦い』は明後日だ。明日は丸一日、時間が空くことになる」

「はい」

「キャルと話して決めたんだが、その一日を使って、キミに『ソウル』を修得してもらおうと思う」

訊《き》きたかったことだ。手間が省けたのはよかったけど……、

「一日で修得できるモノなんですか?」

オレの問いに、ジュードさんは「弱ったな」と苦笑を漏らし、

「時間が足りないのはわかってる。『ソウル』の修得には、それなりの月日が必要だからね。特にキミはプレイナー=B難しいだろうね……」

今の話を聞く限り、明日一日での修得は不可能に近い。

「急な話になって、本当にすまない」

深々と頭を下げ、申し訳なさそうにしている姿は見るに忍びない。

「いえ、仕方ないですよ。状況が状況ですからね。やれるだけのことはやります」

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