《MUMEI》
笑顔。
今度こそやっと泣き止んで、二人で風にあたり気持ちを落ち着かせていたとき。

「馨子ちゃん。」

「なに??」

少し照れた表情を浮かべて、

「俺のこと好きなん・・・?」

へ・・・?

はっ!

さっきのことを思い出して、顔が熱くなる。

待て待て待て。
とっさに出た言葉だけど・・・。
自分でもよく分からない告白だった。

「ん、と・・・。その・・・あの・・・。」

「もしかして、泣いたいきおいで出た言葉やったから、よくわからへん?」

あんたはエスパーか!?

なんでわかるのだろうか・・・。この人の前ではうそはつけない。

「いきおい・・・、だったけど、龍也くんのことは、ちゃ、ちゃんと好きだもん。」

「それは、告白?それとも友達としての好きってこと??」

「わ、分からない・・・。」

「じゃあ、俺から質問です。」

「え、」

「1問目ー。」

馨子ちゃんは、おれといて楽しい?

・・・うん。

俺に毎日会いたい?

うん。

俺といたら、どきどきする?

か、かなり・・・。
でも、いつも顔隠したくなっちゃうけど、そうしたら龍也くんの顔見れなくなるから、いつもがまんしてる。

へー・・・。いつもそんなこと思ってたんだ。

じゃあ、俺に告白されて嬉しかった?

・・・とっても・・・う、嬉しかった・・・。

「ほな決まりやな。」

「何が?」

「馨子ちゃんは完全に俺に恋しとるっ!」

「えぇ!!?」

「なんや、その驚きようは・・・。一緒にいてどきどきして、顔隠したくなるくらいはずかしくて。それ絶対俺のこと好きやろ。」

「そういうものなの・・・?」

「そういうもんや。」

疑うんやったら、もう1個質問や。

俺と離れ離れになる生活、想像できるか??

「で、できない・・・」

私がそう答えると、龍也くんは手をさし伸べて、

「これから、お前の彼氏になる龍也です。よろしくな。」

戸惑ったけど、差し伸べられた手を握った。

それを見た龍也くんは、嬉しそうに、笑った。

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