《MUMEI》
告白
あの日から、私はおかしい。
何をしようとしてもあの人の事を考えてしまう。
毎日学校に登校する時も、また逢わないかなぁってあの日と同じ時間に登校している。
けど、あの日以来、一度も登校中には逢わない。
それだけじゃない。推薦でなりたくもない学級委員になり(あの人も)、
同じ仕事をしていても一度も話した事はない(あの日を除いては)。
なぜか、避けられているような気がする。
こう思うのも、すべてはあの日から。

あぁ〜本当に私どうしたんだろう。
次々と頭に浮かんでくるのは、あの人の事ばかり。
考える事が多すぎて、もう頭が爆発しそう。
それだけじゃない。なぜか、心拍数も上がってて。
血圧大丈夫かな・・・。
っていう事を、親友の恵梨香(えりか)に話したら、
なぜかにやにや笑いながら、
想像もしていなかった一言を発した。

「それ、恋してるんだよ。」
はぁ?誰が、誰に何のために?
そう思いながら本当は分かっていた。

そう、私は恋をした。生まれて初めて、恋をした。

そして、恵梨香は信じられない二言目を発した。
「美嘉、告白、すれば?」
はぁぁぁ?
「無理。」
「なんで?」
「だって一度も告白なんてしたこと無いもん。」
それだけじゃない。今まで、勉強勉強の私に誰かを好きになる時間なんてなかった。
だから、正直この気持ちとどう向き合えばいいかわからない。
「じゃぁ、このままでいいの?」
恵梨香が言った。
「へっ?」
「このまま、そうやって考えて、考えて、授業に集中できなくて。」
「できなくて?」
「成績がた落ち、そして、鎌司くん彼女出来ました!おめでとー。でいいの?」
「・・・・。」
「どうなのよ?」
(どうって・・・)
「あ〜もっ、知らな〜い。」
だけど、この思い無駄にしたくない。
初めての感情。これを知らないふりすれば一生後悔しそう。
「どうやるの、−告白。」
「ふふっ、聞くと思った。」
恵梨香は笑った。

次の日、
「やっぱり駄目。」
告白の日は突然にやってきた。
屋上に恵梨香が鎌司君を呼び出したらしい。
「何言ってるの?昨日練習したとおりにすればいいのよ。ファイト!」

(ファ、ファイトじゃないよー。足が、がくがくしてる〜)
もう、その人は来ていた。
私は、いまにも飛び出そうな心臓を押さえながら(心臓って押さえること出来た?)
あぁ、違う。今はそんなこと考えている場合じゃないよ。
私は恐る恐る口を開いた。そして練習した言葉の五分の一ぐらいの短さで単刀直入に言ってしまった。
「す、好きです。鎌司君。」

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