《MUMEI》

「壊神ゼットってさー、どう見てもルックスが、プロレスで言ったら悪役(ヒール)にしか見えないんだよなー?」
友達の田町雅が言った。
「それに何かこれと言った必殺技があるわけでも無いし、殺しかたとか残酷じゃネー?」
確かに殴られた敵役の頭が吹っ飛んでごろごろ転がったり、チョップで頭頂から股間まで真っ二つ。流血のシーンこそ無いものの、暴力的だと言う事でPTAからクレームがつき、今現在、多少の問題になっているらしい。近いうちに放送が打ち切られるのではないかと言う噂まで流れている。
だがそのマニアックな設定も含めて、ヒーローらしからぬ凶悪なルックス、問題のバイオレンスなシーンとかが一部の特撮おたくに受けて、マニアックな支持を受けているのも事実だった。
ハマる奴はハマる。
須佐男もその中の一人である。
「俺は戦隊物のほうがいいな」
壊神ゼットの話題になると、田町雅はいつもそう言う。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫