《MUMEI》

その言葉に安心したのか、表情がパッと明るくなる。

「そうか、ありがとう。それじゃあ明日、やってみよう」

「はい。頑張ります」

リーダーはオレ達とは別方向へ歩いていき、次第にその姿を消していった。


「話は終わったの?」

「ああ。明日の訓練だけどさ……」

「なに?」

「キャルも付き合ってくれるんだろ?」

何故《なぜ》かその誘いに渋《しぶ》る様子を見せた彼女は、

「そうね……一緒に戦っていくことになるし、アンタがどの程度動けるか、見とく必要はあるかもしれない……」

「決まりだな」

「ただし教えるのはJ。ワタシは見学するだけだから」

「なんだ、直接は教えてくれないのかよ」

「人に教えたりするのは苦手なのよ、ワタシは。それより……はい、コレ」

渡された紙切れは、ここの見取り図だ。

彼女は「先に入ってて」と言い残し、夕飯の準備に行ってしまった。

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