《MUMEI》

裏庭の芝生に寝転び
雲一つない青空を眺
め、溜め息を吐く。


…今日、聡一郎が休
んでるのって、俺に
愛想を尽かしたから
?もう、俺の顔も見
たくないほど、嫌わ
れたりしてて…


目に映る爽やかな空
の色に反して、ネガテ
ィブな思いばかりが
頭に浮かぶ。


『……あーっ、駄目
だ!こんなんじゃ』


芝生から上半身を起
こし、頭を左右に振
る世良。

と…そんな世良の側
を通り過ぎる学生達
の会話が耳に入る。


『な〜、あれはヤバ
くね(汗)』


『ああ、なんかこっ
ちに向かって来てね
ぇ?すげー怖いんだ
けど……あ、来る』


『ゲッ!マジ?』


振り向いていた学生
が焦り叫ぶと、学生
達は足早に去った。


…え?何が?ヤバい
?来る?

不審に思いながら、
学生達の振り向いた
方に眼を向けた。

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