《MUMEI》 ド天然大翔は中学からの友達だ。 最初に話した時からとても気があってすぐに仲良くなった。 いつからだろう? こっちを見る大翔の視線や なにげない仕草に含まれるようになったサイン。 言葉にはされない。でも、気づいてほしいというふうに送られるサイン。 大翔の気持ちは、わかっていると言えばわかってるし 芹奈も大翔のことはとても大切に思っている。 でも、この気持ちは「好き」の気持ちなのかな? 「うーん、確かに大翔とは中学の時から一緒で仲はいいよ? 一緒にいると楽しいし、いいやつだし、 大翔のこと嫌いじゃないケド―――」 「だからぁ…」 そばで話を聞いていた翼が机に身を乗り出した。 「それが好きってことじゃんっ」 え――。 好き?これが? 「えっ!そ、そうなの!?」 「なに、このド天然」 「あんたたち、相思相愛でしょ」 ドン引きの翼と苦笑する愛李の声に続くように 授業開始のチャイムが鳴った… 前へ |次へ |
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