《MUMEI》

不意に背後に忍び寄る気配を感じて壊神Zは振り返った。
しまった!気付かれていたか?!
壊神Zのいるビルの屋上に向かって、工作員達の黒い影が次々と周囲の建物から飛び移って来る。
その中の一人が放った拳が、素早く身を沈めたZの頭上を通過し、建物のコンクリートを砕いた。
強化人間!
ガイアの遺伝子操作によって、奴らは通常の人間の二三倍のパワーを持つ。
壊神Zの拳がカウンターで相手の顔面をとらえ、グシュッと陥没させる。
Zはそのまま間髪いれず背後に忍び寄っていた敵に回し蹴りを食らわす。
手足をバタバタさせながら、工作員がビルの谷間に落ちていく。
残りの黒い影がZの様子を窺いながら、じわじわと包囲の輪を狭めてきた。
それぞれの手には電撃棒が。
壊神Zは腰につけた鞘から、段平を抜き放った。
「ムゥ!!」
念を込める。
ムー文明の遺産、精神感応金属オリハルコンを素材とした段平が、Zの念に反応して青白く輝く。
段平は降り下ろされてきた電撃棒ごと敵の頭を切り飛ばす。
Zは浮足立つ敵に向かい勇猛に飛びかかって行く・・・・。

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