《MUMEI》
相思相愛
あちらこちらに散らばっていた生徒たちが自分の席に戻っていく。

びっくりして芹奈も自分の席に戻った。

―――そうかぁ。そうだったのかぁ…


私って大翔のこと好きだったんだぁ


芹奈の席は窓際の列の前から三番目で

大翔はとなりの列の一番前の席。

後ろの席の男の子と笑いながら喋っている大翔の

背中と横顔が芹奈には見える。

大翔は笑うと目尻にしわがよって見た人みんなの心がなごむような

そんな、人懐っこい顔になる。

私ってば、いつの間にか大翔に恋してたのか。

大翔の気持ちは知ってるし、私も大翔に恋をしているなら―――

芹奈はふっと愛李の言った言葉を思い出した。

『あんたたち、相思相愛でしょ』

――うん、確かに愛ちゃんの言った通りだ…

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