《MUMEI》
いい加減にしろよ…
そんな冷戦的状況も、そう長くは続かなかった。





だって、俺がキレたから。






この日も運悪く、二人共帰宅時間が同じ。


相変わらず会話は無し。

でも、もう三日も経ってるし、さすがに機嫌も直ってるだろうと思ってさ


「コレ、食う?」


持ってたガムをユキに差し出してみた。

ご機嫌伺いってやつ。


でもユキは、相変わらず黙ったまま、ガムすら見ようとしない。


「お前さぁ、」


軽く、本当に軽く説教するつもりだった。



でも…


「ただいまぁ〜!」




ユキは俺なんか眼中に入っていないとでも言うように、完全な無視を決め込み、家の中に入っていった。

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