《MUMEI》
接触
いきなり彼の手が服の中に入ってきた鳥肌がたった。


「やめて」


手は、引っ込んだ。


「やったら帰れるから」


さっき、言われた言葉を頭の中でくりかえした。


肌が触れる。

私は、今どんな顔をしているんだろう。

マグロのように、喘ぎもせずただ硬直していた。


最後までは、やっていない。

終わった。

ただそれだけだった。

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