《MUMEI》

「何が違うのよ」

「味の感想じゃなくて今のは食感だよ!」

「……味は?」

「まぁ、悪くないよ。うん」

「なんかビミョーな反応ねぇ。ハッキリ言いなさいよ」

「うまいか、うまくないかで言えば……」

「言えば?」

こっちを凝視する彼女の視線が「うまいと言え!」と訴えてくる。

これ、もし不味《まず》いって言ったら……どうなる? 正直、痛いのはカンベン願いたい。


「美味《うま》いよ」

「ホント?」

「あぁ、これで栄養があったら言うことないね」

フッフッフッと笑いながら目を瞑《つむ》る彼女に不吉なモノを感じてしまう。

オイオイ、まさかコレ……ホントに味付けした砂利《じゃり》じゃないよな?

「栄養面なら何の問題も無いわ。来客用に作ってあるもん」

「……来客?」

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