《MUMEI》
司の予想
拘束時間、約三時間。
事情聴取から開放され、外に出してもらえた頃には、もう日が暮れていた。
さすがに皆、疲れた表情をしているが、司には言わなければならない事がある。
「あのさ皆。ちょっとコレ見てくれるかな…?」
ポケットに閉まっていた写真を取り出し、まだ知らない三人に見せる。
「コレ、この間の…?」
「うん、肝試しの時に撮ったやつなんだけどさ…。」
「コレがどうかした?」
やはり余りに自然過ぎるのか、最初は皆、首を傾げるだけ。
「何か気付かねぇ?」
美樹と優香は更に写真を凝視する。
しかし、井上は直ぐにわかった。
「真弓さんが‥いない…?」
これには、さすがに井上も動揺を隠しきれない様で、顔を強張らせて言う。
優香と美樹は、恐怖に堪えきれずしゃがみ込んでしまった。
正直、女子二人に見せるのは極力避けたかった。
怖がるのは分かっていたから。
だが‥
「井上。一個‥質問していい…?」
「ん?」
真弓死亡の報せと共に、浮かび上がったある疑問。
もしそれが真実ならば…
また犠牲者が出るかもしれない。
「真弓の脚、どうなったんだ?」
予想はしていた。
けれど、それ以上に…
予想以上に凍った空気が、司の心を突き刺した。
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