《MUMEI》

独りでいたい時にそうできないのはこの家の特徴だ。
そもそも私は家と呼んでいるがここは寮である。
唯浜高校女子寮、゛若葉゛。

私達、寮生は2人ずつ同じ部屋で生活することになっている。

ルームメイトの佳代は普段はそれほど話すような間柄ではない。かといって仲が悪いわけでもない。私には調度良い関係。

ただお金を片手にベットで呆然としている私をほうっておくほど、佳代は冷たい人間では無かった。


佳代は私に何があったのか特に強く問い詰めるような言い方はしなかった。
優しく、根気よく、私が口を開くまで待っているという感じだった。

前へ |次へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ

携帯小説の
(C)無銘文庫