《MUMEI》

私は私自身がどういう状況になってるかよく解らないでいた。
詐欺にあった???
誰かに狙われている???
そんなことはない…………はず。
−−−よく解らない。
あの時あった恐怖感も今となっては説明できない。



佳代は随分優しく接してくれていたが、どうしていいのか困っているみたいだった。だから佳代がこんなことを言っても全然不思議ではなかった。

「私には話せないかな。それじゃ靖子ちゃん呼んでいい?私は聞かないから」

私は頷いたわけではないが、佳代は私が暫く沈黙するのを見て、部屋を出て行った。

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