《MUMEI》
ついうっかりと…









「おいっ!!」


頭に血が上った俺は、ユキの家に勝手に上がり込んで、二階にある部屋の扉を荒々しく開けた。


「ちょ…っ、何勝手にっ!」

「てめぇ、いい加減にしろよっ!!」


ユキは驚いた表情をしたが、俺はそんな事お構い無しで怒鳴り付ける。


「いつまで俺の事無視する気だよっ!?」

「…………。」


ユキは俯いて黙ったまま、俺の顔を見ようとしない。


「聞いてんのかっ!?」

「だって…俺、ケンちゃんに嫌われたし…」

「はぁ?お前何言ってんの?」


ユキの奴、勝手な被害妄想で俺の事無視してたのか?


そう思ったら、何か馬鹿馬鹿しく思えて笑いが出てきた。


「ハッ、別に嫌ってねぇし。」


でもこれが逆効果。ユキの感情を逆撫でした様で…


「嘘つくなよ!男同士の恋愛なんて考えられないんだろ!?」


今度は俺が怒鳴られる側になってしまった。


「俺の事、気持ち悪いって思ってんだろっ!?」

「ユキ………。」









あぁ、俺は何て事してしまったんだろう…


自分の行動が信じらんねぇ。





愛しさよりも、多分同情か償いみたいな気持ちが溢れ出してきて、気付いたらユキを抱きしめていた。

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