《MUMEI》

「俺が初めて撮った被写体が内館だったんだよ」


「う、わー……これって」
広げてみたら小学生の頃の七生が定規で打たれていた。虐待じゃないか。


「当時これはこれで二人は上手くいっていたんだよ。姉さんも内館を虐めることに夢中になっていつのまにか悪い友人とも切れてたし。内館も姉さんをそれはそれは愛してて、互いに利害が一致していたんだ。」


「いや、でも今は違うだろ。この写真の七生だって笑ってない。」
七生は怯えていた。心の中では拒んでいたんだ。

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