《MUMEI》
事件と写真
「それが‥さ…、真弓さんの脚、跳ねられた衝撃でどっかいっちゃったみたいで…。」
「どこかって?」
「見つからないんだよ。あんな見晴らしの良い道路なのに…」
「警察の人もお手上げって感じだったよね…。」
ずっと震えたまま、会話を聞いていただけだった優香と美樹も、漸く立ち上がってきた。
「お前ら大丈夫か…?」
「うん…。」
「何とか…。」
「そっか。」
口では大丈夫だと言っているが、無理をしているのがバレバレだ。余りに顔色が悪すぎるし、美樹に至ってはまだ震えが止まっていない。
そんな中、言うのは気が引けるが、やはり皆の意見を聞かなくてはならない。
「俺の思い過ごしかも知れないけどさ…」
またもや皆の視線が司に集まる。
「今回の事件とこの写真、何か関係してるんじゃ…」
そう言って、もう一度写真を見た。
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