《MUMEI》

外の風は冷たかったけど

涼くんが、あったかいダウンを貸してくれたから

平気だった

「ゴメンね…涼くん」

私、車イスを押してくれる涼くんに謝った

「なんで謝んの?」

「手術うけたから…お金とか大変だったんでしょ?」

「真理サンが気にすることじゃないよ(笑)」

涼くん、そう言って笑いながら

私の髪をクシャクシャって撫でた

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