《MUMEI》
最後の1ページ。
雨の日はふと、あの日を思い出す。
僕の人生を変えた、あの日。
そして僕があの人と出逢った日も、あの人が僕達の前から居なくなった日も。
いつの日も、雨が降っていた。

あの人は、世界を守って居なくなった。
口が悪くて不器用で破天荒で。
そしてなにより優しくて。

誰もが惹かれた。

もう、あの人はいない。

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

あの人がいなくなってから4年が経った。
ここは東京、【連盟】の本部だ。
【連盟】というのは、世界中の政府の互助組合のこと。
だからと言って、汚職を見逃している訳では無い。
第三者の視点で、政府からの依頼や、民間人の依頼を受けている。

まぁ、簡潔に述べれば何でも屋って事。

ただ、【連盟】の中に少し特殊な部署がある。

“普通の人間じゃ対処できないような案件”

というのを解決する部署があってね。
まぁ、僕もそこに所属しているんだけど。

その部署の名前が『特殊案件課』。

安直だなんて思わないでくれ。
【連盟】の会長のネーミングセンスを考えればまだましな方だ。

…ま、それはさておき。
僕の『日常』は、これから始まる。

これは、特殊案件課のメンバーのとある日常の話。

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