《MUMEI》

「どんな能力なんだ?」

「千里眼と予知……意味はわかるわよね? イシュは二つの『ソウル』を操る稀有《けう》な存在。彼の千里眼はどんな遠方にあるモノでも見通す。そして予知の的中確率は八割」

「八割!? ……スゴイな」

違う違うと首を横に振られ、

「十割。百パーセントよ。ただ、正確な時間や場所がズレたりするから本人曰《いわ》く、八割なの」

「……そうか、だからイシュさんが指示を出し、それをチェルさんが伝えてんだな。適材適所ってワケだ」

「もう何年も組織として活動してるからね。各自バラバラに動いていた一つの集団……それを纏《まと》め上げたのがJなんだよ? あとは――」

キャルはまるで自分のことのように誇らしげに語る。

その話を聞いていると、彼女が如何《いか》にジュードさんを信頼しているかが伝わってくる。


「カッコいいな、ジュードさんは」

「アハハッ! なに? 憧れの対象になっちゃった? ケータちん」

「憧れるし……尊敬できる人だよ、ジュードさんは。わかるだろ? キャルちん」

「アンタ、もしかしてケンカ売ってる?」

「オマエが先に仕掛けてきたんだろーが!」

「……まあいいわ。明日の訓練でどれだけの成果が得られるか……それ次第で作戦も変わってくるからね。死ぬ気で頑張ってもらうわよ?」

「努力する」


明日の訓練に備え、早めに就寝することにしたオレは用意されている客室へと向かう。

彼女に懐《いだ》く不安がただの杞憂《きゆう》であることを祈りつつ……。

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