《MUMEI》
失恋
「はーいみんな座ってー」
先生の叫び声が聞こえる
「はーい」
「では出席をとりまーす出雲さーん」
「はい…」
もう恋なんてやだ。
今日も彼氏に捨てられちゃった。
「ごめん、別れよう…」
「え…」
「すまない…」
なんて男運がないのだろうかもう、なにもかも手につけられないよ。
「えー出雲さーんここわかる…」
「わかりません」
「そうですか…」
適当にテキストを開いて、ノートに書く
そんな時間。
休憩時間
チャイムが鳴った少し頼りないあの子に相談
「ねー円」
「どうしたの元気ないね…」
「振られた…」
「え…」
「ふられました」
「えええええええまだ一週間じゃ」
「うん…」
「早過ぎるね…」
すると横にいた女子が
「弄びの五十嵐っしょ」
「そりゃ被害にあうわ」
「弄びの五十嵐…」
「ええ…」
「確か、ここのコを妊娠させたとか…」
「うわ…」
何か、あいつならしかねないな。だって平気で
やルなんて言うから、しかも危険日問わず
「でも妊娠しなくてよかったぁ…」
「よかったね…」
「うん、ラッキー」
でもあいつにまた開いたかと思うとたちまち怒りが現れてくる
「ちっ…円来て…」
「え…」
突然、腕を引っ張られる。
「ねぇ…」
「どうしたの…」
円を屋上に連れていく、円は悪くないのに。
五十嵐との出来事に巻き込んでいる。
「私、あいつに初めて捧げた…」
「え…ゴムした…」
私がそうきくと、柚子は首を横にふった
「困るよ、それ一番…」
「うう、わかってるよ…あたしはただ愛があればセックスしてよかったと思うでもでも…女の子の体に安全日も危険日も無いんだよ〜」
あたしはどうしようもできなかった。自分がしでかした事なのにね、女の子はいつだって妊娠する安全日なんて実在しない、今、そう私の胎内であいつとの新たな命がある。
「そんな…どうするの…」
「わかんないよ…胎児なんて出来ないし、高校もやめたくない…ああ、ああ」
吐き気、くどい匂いがトラウマになっていく。
「そうだよね…胎児も事情が無ければ人殺しだもんね…高校は退学したらこの御時世でどこも雇ってくれないしね…ニートになるよ…」
ニートになる。大学いけない、胎児も事情が無ければ人殺し。
「今回響くよその言葉!」
「あっごめん…」
とりあえず、今日くどい匂いは避けよう
そして検査キットを買おう
「ありがとう…」
「うん…」

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