《MUMEI》 学年とクラス侑が「降りなきゃ」と立ち上がった。 けれど、ふと何かを思い出したように足を止めて ドアに手をかけたままふり向いた。 「学年とクラスって…」 何を聞かれたのかよくわからなくて目を丸くすると 侑は静かに問い直した。「何年何組?」 「……ぁ、一年六組可採 芹奈」 です、と後で小声で付け足すと 侑はこちらを見つめて少し頭を下げた。 つられて芹奈も小さく頭を下げた。 侑がホームに降りるとすぐにドアが閉まって まばらな降車客にまじって駅舎の中へ入っていく侑の背中を 芹奈は見えなくなってしまうまで目で追った… 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |