《MUMEI》

「そうよ。感謝してさっさと仕度しなさいよ。Jが待ってるんだから」

――そうだった! 今日はジュードさんと訓練することになってたんだ。

急いで支度することにしたオレは室内を見て軽く驚いてしまう。

昨日は即ベッドにダイブして気が付かなかったが、客室はワンルームのような造りで調理場はないが流し台と……ユニットバス!? フロに入れたのかよ。

「おーい、キャル。シャワー浴びてもいいかー?」

「浴びるだけムダになるわよ? 訓練が待ってるからね。汗まみれになって、泥まみれになって、血まみれになればいい」

「……」

歯磨きを済ませ、持ってきたバッグから携帯を取り出す。

ヴェイグ≠ノ入る前、受信していた充《みつる》と裕紀《ゆうき》からの(どうでもいい)メールは無視。

着信もないし……使いたくても当然圏外になっていて使用不可能。

しかもなんだ? 六時十分!? キャルの奴早起きさせやがって……おっと! 昨日の弁当箱だ。

キレイに洗わないと腐っちまうから洗い物もしとくか。え〜と、洗剤はないかなぁ……おぉ! これは洗剤っぽいな。


「ケータ! まだなのっ!?」

「もうちょっとで終わるよ。待っててくれ」

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