《MUMEI》
仕事
「裕斗、お疲れ」




「お疲れ様でした」






今日は色々な新作の服を着込み、たくさんの写真を撮られた。





最近は表情もポーズも自然に出せる様になってきた。




始めの頃は上手くいかなくて怒られてばっかで何度辞めようかと悩んだものだ。




しかしその度に慰めてくれる、励ましてくれるモデル仲間がいた。





名前は潮崎隆志。





俺よりモデルとしては一年先輩だが同い年だ。





185センチの長身に細いが、ガッチリした躰。



長い脚に、肩に僅かにかかる綺麗な黒髪…。





脇役だけどドラマにも出ている俳優でもある。





男の俺から見ても隆志は格好いい。





だから女の子にめちゃめちゃモテる。




でもめちゃめちゃ綺麗な彼女が居るから皆払い退けているけど…。




俺が楽屋に戻ると、先に撮影を終えていた隆志が私服に着替え、パイプ椅子に座りながら携帯をいじっていた。





「おつか!裕斗」






俺の顔を見るなり携帯をパコンと閉じる。




「はは、おつかれ…まだ帰ってなかったんだ」





俺は鏡の前に座りクレンジングクリームの蓋を開ける。





鏡には俺を見る隆志の姿。

前へ |次へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ

携帯小説の
(C)無銘文庫