《MUMEI》
守りたい理由
教頭先生の腕を斬り落とした黒髪の少年が俺達の方へ近付いて来る
そして、俺達の目の前に立つ
見た目は俺と同じ年の短髪の少年に見えるが、雰囲気からしてヤバい

「…なぁ、アンタ!
睦月は関係ねぇんだ、睦月だけでも逃がしてくれねぇか?」

「そ、そんなのいいから…!」

「くっ…それはお前次第だよ
まず、゙ゾディアッグについてどれぐらい知ってるのか、聞かせてもらおうか…?」

「…そんなに知らねぇよ
ゾディアックっていう単語も今日聞いたばかりだし…」

「…なら、゙ゾディアッグという単語はどこで知ったんだよ?」

「今日、転校生と校長先生とのやりとりを聞いてて、その時にゾディアックっていう単語が出たのを聞いただけだ」

「転校生?」

「あぁ…後、その転校生がサジ?なんとか言ってたな」

「もしかして、サジタリアス?」

「それだ!」

「ちっ……!何やってるんだ仁…!」

「つーか、なんでアンタがそんな事を知ってんだ?」

「アンタじゃない、俺には飛永 悠里(とびなが ゆうり)っていう名前があるんだよ」

「じゃあ、飛永
 なんでそんな事を知ってる?」

「…簡単だろ
俺もその゙ゾディアッグのメンバーだからだよ」

「何?」

「くっくっ…おっと、こんな話をしてる場合じゃないな……
んー…まぁ、゙ゾディアッグについてそんなに知らないみたいだし、もう行けよ」

「本当か!?睦月もいいんだな?」

「うん、あっ!お前はもうちょっと残ってもらうよ」

「睦月、悪いけど…先に行ってくんねぇか?」

「うん…玄関の所で待ってるね」

「…………で、何だ?」

「あの子って睦月っていうんだ
 いい名前だね」

「お前、睦月に手を出したらタダじゃおかねぇからな…」

「くっくっ、怖ぇー怖ぇー
 …お前、名前は?」

「…和泉 琉雅だ」

「じゃあ、琉雅…
どうして、あそこまでして彼女を守りたいんだ?」

《!!》

「お前らがこの武道場に来てから、ずっと見張ってたけどよ…お前は彼女を守り過ぎてる…どうしてだ?」

「……アイツは…睦月には…!
俺が死んでも、償いきれないほどの罪があるんだ…」

「どういう事だ?」

「それは…」

《そう、あれは俺が睦月と出会ったばかりの時だった……》

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