《MUMEI》
異変
泣きつかれた、もう教室に帰れない。
「うう、五十嵐の野郎…」
「大丈夫かいな…」
俺は五十嵐に悲惨な振られ方をした出雲を支える
「ぐぎゃあ!痛い」
出雲は脇腹を抱えて凄く痛そうにしとった。
「おい大丈夫か!」
「だめ!うう…」
「なんや!陣痛か」
「ぐぎゃあ!痛い」
出雲は脇腹を抱えて凄く痛そうにしとった。
「おい大丈夫か!」
「だめ!うう…」
「なんや!陣痛か」
俺は助けを呼び、その後出雲は救急車に運ばれた。
「くそう、くそうなんで陣痛がはよくんねん」
凄く痛そうやった、でもまだ腹は膨らんどらんのになんで、陣痛を訴えたんや。もしかして流産か、流産したんか。くそう五十嵐の野郎許せんわ。俺の出雲にあんな精神的な苦痛を与えよって。自分の子供が死ぬんやぞ。泣きもせんとハイハイもせんと、おむつもせんと死ぬんやぞ、そんなん悲しいわ。俺かて悲しいわ
「帰ってきたらもうここには…」
すると後ろから、佐倉が来た。
「なんややっぱり陣痛か…流産か…」
「ううん、流産じゃないよ…どうやら盲腸で運ばれたらしい」
「盲腸…」
「うん…」
なんや、心配させよって結局は盲腸かいな、と思うとる場合やない盲腸って、摘出手術せなあかんやん。「くそう…」
赤ちゃんにかなり影響及ぼしてまう。
「なあ、盲腸て薬で治せへんの…」
「治らないよ。嫌でも手術しなきゃ盲腸って言う器官そのものの病気だから…」
「今、出雲妊娠中やん、なんとかせんと」
「だから妊娠もしてないよ…」
「え…」
「妊娠してない…」
でもさっき、五十嵐の前で一人でもええから自分の子供育てるってゆうてなかったけ。
「勘違いか…」
「うん…」
佐倉は、首を縦に振り一連の騒動は思い込みという事で幕は閉じた。それから出雲が妊娠したっていう噂は流れんようになった。でも納得いかんのや、俺は五十嵐に仕返ししたる

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