《MUMEI》
真実
「あら、久しぶり…」
「ああ…どうだ」
「順調よ…」
「そうか…」
窓の外を見て感じる。何故、病弱のクラスメートの面倒を見ないといけないのだろう。
「ねえ、私、いつ学校に行けるかな…可愛い制服も、全然着てないな…」
「体がよくなればな、…」
「さようなら…」
「…………」
少し苦痛な気がした。いまままで遊びの五十嵐と呼ばれてきたおれが、こんなに心配してるとはな、どんだけ好きなんだ。
「さようなら…」
もう、女遊びをやめようか。すると
「おい!ごるぁ!貴様」
「何だよ…」
「柚子を見捨てて何しとんねん!!やり逃げよりも産み逃げやな…」
「またあいつか、あいつはな俺の事好きじゃねえ好きなのは、お前なんだよ…」
「んな綺麗事ゆうても遅いわ!子供できたのに」
「でも盲腸だろう。覚ませよんな早くに陣痛来るかよ…」
すると、五十嵐はそう言い放ち帰った。
「ほんまに真実を教えてや…」
「ちっ仕方ねーな…」
五十嵐は渋々、頭をポリポリかき、教える
「俺はこう見えてとても一途なんだよ…でもな
付き合った奴等皆、俺を道具としてしか見てねーんだ。妊娠した女って噂聞いたことあるか」
「ああ…」
「あれはな、あのおんなの脅迫なんだよ
ずっと、妨害してきて警察沙汰になったおしまい…」
「そうやったんか…」
俺は納得するだけ納得した
「ああ言うだけ言った、帰る…」
すると五十嵐は去っていった。

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