《MUMEI》 Second kiss is doy too翌日・・・ (何なんだ・・・昨日の・・・) 靖は、不満そうな顔で廊下を歩いていた。 「靖君・・・!」 沙紀が、後ろから走って来た。 「ん?おう、おはよう。沙紀」 「う、うん」 「どうした?」 「あのね、昨日はありがとう」 沙紀が、照れた口調で靖にお礼を言った。 「え?ああ。いいよ別に・・・俺も此処に居たかったし・・・」 「うん。それでね・・・」 沙紀が、何かを言いかけた時・・・ 『お知らせします。三年の近藤 靖君。校長先生がお待ちです。校長室に行ってください』 「!?」 「なんだ?近藤、何かしたのか?」 「ガラ悪そうだもんねー・・・」 周りの人達が、靖の事を噂した。 「靖君・・・?」 沙紀が、心配そうに靖を見た。 「大丈夫だよ。ちょっと、行って来る」 「うん・・・」 靖は、校長室の扉をノックした。 「はーい」 「失礼しま・・・」 靖が、扉を開けながら礼をして前を見ると、一人の帽子を被った男が正臣の横の椅子に座っていた。 「いらっしゃいー・・・」 「お話とは?」 「まあまあ、座って」 靖は、不機嫌そうな顔で座った。 「移動の件は、お断りした筈です」 靖は、キッパリ断った。 「でね・・・そのー・・・」 「ほー・・・これが、近藤 靖か・・・」 突然、男が口を開いた。 (これ!?) 「まあ、よく見れば可愛いな・・・」 「は?」 「!?」 「可愛いと言っている。素直に喜べ」 「喜べません」 靖の素早い返事に驚いたのか、男は目を見開かせた。 (近藤君・・・チャレンジャーだな・・・) 男は、立ち上がり靖の後ろに立った。 「移動の件は、断ったのだったな・・・」 「はい」 「なぜだ?」 「・・・やっと、慣れてきたしもう一人が怖がつていたので」 「あれ?もうひとつは?」 「?」 「もうひとつ、好きな奴が居るからって・・・」 「わああああああ!!」 靖が、顔を赤くしながら立ち上がった。 「ど、どうしたの!?」 「何故、言わなかった?」 「だ、だって・・・初対面で・・す、好きな人がいるから・・・とか、恥ずかしいだろ・・・」 手で顔を隠した靖に男は、眉間にしわを寄せた。 「やっぱり可愛いな・・・」 「え?」 男が、靖の腕を引っ張った。そして・・・ 「え?ちょ・・・此処学校・・・」 「な、なに・・・やってんですかああああ!!!」 「何って・・・キスだろう?」 「お、男同士でするものじゃないでしょう!」(隆司としたじゃねーか) 靖は、唇を抑えて男を指差した。 「そうなのか?周りの者は、皆やっているぞ。ついでに、俺も初めてだ」 「なうなの?夜遊びばっかやってんのに?」 正臣が、不思議そうに言った。 「されそうになったら、避けていたからな」 「へー・・・」 「もう!何なんだよ!お前ら!意味わかんねーーー!」 靖は、顔を赤くし校長室を出ようとした。すると、男に腕を掴まれた。 「 」 「!?」 男は、靖の手を離した。 「どうしたの?」 「し、失礼しました」 靖は、急々と校長室を出た。 「ねー・・・何て言ったの?」 「なんでも・・・」 「そう・・・」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |