《MUMEI》

ジュードさんは深刻そうにオレを見ている。

しかし彼が言わんとすることは大体分かっているつもりだ。

「努力します」

「そうだね……続けようか。ヴェイガー≠ヘ精神エネルギーが剥《む》き出しの状態にある。つまりキミが『ソウル』を使用するためには、肉体から精神エネルギーを放出しないといけないんだけど……、ちょっといいかな?」

「?」

彼はオレの手を取り、自身の胸に押し当てた。

何をする気なんだ?

「キミは今、ボクに触れている。だけどこれは、ボクが触れさせているに過ぎない」

「それって……」

「本来『ソウル』を使えないキミは、ボクの姿を見ることはおろか、触れることさえできないんだよ」

「……」

「こんな風にね」

触れていた手が彼の身体をすり抜け、その拍子《ひょうし》にバランスを崩してしまう。

ホントに、触れないんだ。

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