《MUMEI》

「おら、もう一回さっきみたいなカッコイイ事言ってみろよ」
優太は動かなくなった
須佐男の背中に足を乗せて、なおもぐりぐりと揺さぶっている。
「もうやめてー!須佐男が死んじゃうわ!」
助けて・・・・ゼット・・・・ゼット・・・・。
須佐男が心の中で叫ぶ。
暴力は今日が初めてという訳では無い。
だが明らかにいつもとは違う・・・・、
体の中で何かが壊れたという感覚があった。
「様子がおかしいわ!!救急車を呼ばないと!!」
「ほっとけや。演技だよ
演技。それより雪子、服脱げや」
「正気なの、あなた?!ほっといたら竜雄死んじゃうわよ!」
「いいだろ?お前も欲しいんだろーが?」
「いやーーっっ!!」
須佐男は薄れてゆく意識の中で、畳の上に押さえつけられ、乱暴にスカートを剥ぎ取られる雪子の姿をぼんやりと見ていた。
「ごぼっ」
また須佐男の唇から泡立った胃液がこぼれる。
胃液には血が混じっていた。
優太は雪子のショーツも足首から抜きとると、やけに白く大きく見える尻を高く持ち上げさせ、
腰を寄せる。
「あぁ・・・さっさと済ませて」
「おらあ!」優太の腰が雪子の白い腰に密着すると、乱暴に揺さぶり始めた。
それを見つめる須佐男の瞳からは急速に光が失われていく。よだれと涙が横になった顔を伝って流れ落ちた。



この日、柴須佐男は
わずか十歳で死んだ・・・・。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫