《MUMEI》
隆志
「うん…、ちょっと今日は裕斗と飯でも食おうかと思って…、空いてんだろ?」




隆志は立ち上がり俺の脇に来た。



「はは、空いてるけど…、葵ちゃんも付き?」





隆志と彼女の葵ちゃんはいつもセットだ。



都合がつくかぎり一緒に過ごしている。



「いや、…今日はその事も話したくて…良いか?」






――鏡の中に少し不安げな色を含む隆志がいる。






彼女と何かあったのかな?




いつも精神的に助けて貰いまくりだし…





――今度は俺が返す番だよな。



つか俺なんかで役に立てるのめっちゃ嬉しいんだけど。


つか俺で役に立つのか怪しいけどさ。






「うん、俺で良かったら…役に立つか分かんないけど」




すると隆志は、はあーと長く息を吐いた。




「うん、裕斗じゃないと…駄目な話だからさ、良かった、じゃ、行こう」







俺は私服に着替え、隆志と近くのカフェに直行した。
















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